株価は追従で生まれる



株式投資においては、しばしば煽動などの心理学的な部分を利用したトラップが仕掛けられます。
簡単に操作できるのは、株価です。
もっとも、簡単というのは操作方法であり、それができる人は結構なお金持ちでないと無理です。



1株90円の株があったとします。
こういう株は、50円未満の株のようにひとつの株価に何十万という株券が発行される状態になることはなく、ポツポツと売り注文が出されている事が多いです。

例えば、91円に2,000、92円に5,000、93円に8,000、94円に7,000、95円に15,000株の売り注文が出されているとしましょう。
これを、全部一人が買い占めるのに掛かる金額はおよそ350万円です。

もしこの金額を持っていて、ある人がこれを短時間で買い占めたとしましょう。
株価は急に5円上がります。
5%以上の上昇です。
これを見た他の投資家は、どう思うでしょう。
「急に株価が上がった。今買えばもっと上がるから得だ」
と思う人がかなり多いのではないでしょうか。
その結果、この銘柄を買う人が増え、結果的には株価がさらに上昇します。



そして、ある程度上がりきったところで、先ほど91~95円で買った人が全部売ります。
37,000株が一気に売られる事になり、どんどん株価は下がります。
すると、「急に株価が下がった。今売らないと大損だ」
という人が増え、株価が一気に下がります。



これが、いわゆる「仕手」というトラップの基本形です。
本来は株式において禁止されている行為ですが、実質的には毎日行われている手です。
株式における、心理学的な要素を最も現している行為と言えるでしょう。
いわゆる、右へならえ心理です。



株価が急に上がると、それを見た投資家は「まだ上がり続ける」という心理を持ちます。
その逆も然りです。
すると、数人がその心のままに、株の売買を行います。
そうしたら、その数人の後を追い、数十人が売買を行い、そして数百人、数千人となっていきます。
心理学上「追従」と呼ばれるその行動が、株価の上昇、下落を招くのです。

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